渇望の迷路
満ち足りた日常の、ひび割れた隙間から、
見慣れない光が差し込んだ。
それは、失われた自分を探す旅。
ほんの少しの刺激が、
枯れた心に潤いを与えてくれる。
そう信じて、足を踏み入れた。
偽りの言葉が織りなす、甘い繭の中。
誰にも言えない秘密を共有するたび、
欠けたパズルが埋まっていくような錯覚に陥る。
しかし、それはかりそめの満腹感。
真実の光は届かず、 影はさらに濃くなっていく。
渇望の迷路に迷い込み、出口を探すふりをして、
本当は、この暗闇に身を委ねたいだけ。
誰かの温もりを借りて、
自分の孤独を埋めようとする。
それは、鏡に映る知らない自分。
そしてまた、ひび割れた心は、次の光を探す。
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