世界を動かした二人
今、世界が揺れている。
スポーツでは大谷翔平と井上尚弥、
エンタメでは『鬼滅の刃』と「国宝」が、
それぞれ異なる軌道で共鳴している。
共通点は「日本発の神話化装置」だ。
大谷は二刀流という構造そのものが物語であり、
井上は階級を超えて「無敗」の美学を体現する。
彼らは勝利よりも「型」を更新している。
一方、鬼滅はアニメを超えて様式美の再定義へ。
刀、呼吸、家族、死——それらは国宝と同じく、
保存されるべき「型」でありながら、
消費される速度が異常に速い。
国宝は静的な記憶装置、
「鬼滅」は動的な感情装置。
だがどちらも「日本とは何か」を問う鏡だ。
大谷は怪我と契約の狭間で神話の次章を模索し、
井上は階級制の限界に挑む。
『鬼滅』は最終章へ向かい、
国宝は観光資源として再編されつつある。
すべてが「型の再定義」に向かっている。
勝つことより、残ること。
それが今の日本の美学かもしれない。
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