才能と喉はかつお節
むかしむかし、
あいみょんという小さな町の歌うたいがいた。
彼女はまだ若く、声は澄み、
歌は風のように人の心へ届いた。
やがて時が少し流れ、
マリーゴールドという歌が野の花のように広がり、
町じゅうの人々が口ずさむほどの人気者になった。
その頃、
遠くの村では髭男という楽団が
同じように評判を集めていた。
二つの才能はまるで同じ川の流れに乗るように、
ほとんど休むことなく働き続けた。
彼らの歌は、暗い雲が垂れ込めたコロナ禍の
日本を照らす灯火となり、
人々の心を励まし続けた。
しかし、
灯火は燃え続ければいつか油が尽きる。
ある日、まるで疫病が静かに退いていくのと
歩調を合わせるように、
二人の力はふっと弱まり始めた。
あいみょんの泉のようだったアイデアは枯れ、
髭男の歌い手の喉は悲鳴を上げてしまった。
それでも、物語はそこで終わらなかった。
あいみょんは最後の力をかき集め、
阪神甲子園球場という大きな舞台にひとり立ち、
弾き語りをした。
「裸の心」と「さよならの今日に」。
その歌は、彼女なりのコロナ禍への餞別となり、
静かに空へ放たれた。
さて、この物語が真実かどうかは、
彼らを愛した人々が、
そして時代そのものが語り継ぐことだろう。


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