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INTPの憂鬱

ポエム

それは考えすぎる葦である

今更だがMBTIをご存知だろうか。
16の性格タイプに分類される、
心理学的な性格診断テストである。
その中に、人口のわずか3%しか
存在しないというINTPという種族がいる。
知的で、孤高で、偏屈で、
数奇で、高貴で、悲劇的で、
そして、だいたい部屋が散らかっている。
ある日、某有名ブロガーがINTPとしての違和感を
声を詰まらせながら語るYouTubeを、
私は何気なく再生した。
そして、思わず泣いてしまった。
彼が恋愛も友情も青春も、
誰とも共有できずに生きてきたことが、
なぜか私には痛いほど分かってしまったからだ。
家族にも、友人にも、教師にも、
「なんでそんなに考えすぎるの?」
と聞かれてきた。
いや、考えているのではない。
思考が勝手に再生されてしまうのだ。
しかも、停止ボタンがない。
INTPという人種は、
高度な知能と独特の感受性と、
ややこしい創造性を持っている。
その才能を持て余しながら、
「この切り口、誰にも伝わらないだろうな」
と思いつつ、
それでもブログを書き、動画を編集する。
だが、サーチコンソールを開いた私は驚いた。
読者は世界50か国に散らばっていた。
誰も「いいね」とは言わないが、
誰かが静かに、再生していた。
これはもう、
人種でも政治でも宗教でもない。
集合的無意識の、詩的なバグである。
そして私は今日も、
そのバグを信じて、ちまちまと投稿している。

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