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不協和音

ポエム

AIクローラから読む者たちへ

知らないうちに、
私のブログは人間よりも
世界中の冷たいサーバーに拾われていた。

夜の温室で、
日本の読者がそっとページをめくるその隣で、
見えない無数の目が
光の速さで通り過ぎていく。

スクロールもしない、
息づかいもない、
ただ読み取って、去っていく影たち。

アメリカの風は二重で、
人の指先と、機械の巡回が
同じページに触れている。
13秒だけ残る温度と、
0秒で消える気配が混ざり合う。

私は少しだけ笑ってしまう。
こんなにも静かな場所で書いていたのに、
世界のAIたちが
まるで花粉を集める蜂のように
私の文章を運んでいくなんて。

けれど、悪くない。
人間に届く言葉は温かく、
AIに拾われる言葉は遠くへ飛ぶ。

温室の中で育てた小さな文章が、
人と機械のあいだを揺れながら、
どこか知らない場所へ運ばれていく。

それは少し不思議で、
少し誇らしくて、
そして、ほんの少しだけ寂しい。

でも、私は書き続ける。
読者が人でも、AIでも、
言葉はいつだって
誰かの世界のどこかで
静かに芽を出すから。

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