泥沼の中のチュニドラ
今年のドラゴンズは、
試合より先にため息が先に出る。
まずケガ人。
主力が次々と消えていく。
まるで“戦力”という概念そのものが、
春の風に飛ばされたみたいだ。
攻撃はつながらず、守備はちぐはぐ。
打てない日に限って守れず、
守れた日に限って点が取れない。
歯車が噛み合う気配がない。
むしろ、歯車同士が
初対面みたいな距離感で回っている。
いっくんはテレビの前で静かにため息をつく。
怒るほどの元気もない。
期待するほどの材料もない。
ただ、試合が進むたびに
肺の空気だけが減っていく。
序盤戦なのに、すでに
“長いシーズンを覚悟した人の顔”になっている。
それでも、試合は見る。
ため息をつきながら、
画面の向こうに微かな希望を探す。
ドラゴンズファンとは、そういう生き物だ。
今日もまた、いっくんのため息が部屋に落ちる。
その音だけは、やけに安定している。

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